映画 空母いぶき

引用元:https://kuboibuki.jp/
綺麗事って言われちゃうことに共通しているのは理想的なこと。
「綺麗事でしょ!」という揶揄に似ているのが「ソレ理想論でしょ!?」
どっちも不思議な責めかただなと思います。
「綺麗な事」だから「理想的」だから目指すんでしょ?
「そうだそうだ!」って思った人、理想に届かなくてもがっかりしないでね。
映画「空母いぶき」
を観ました。
この記事は、映画「空母いぶき」のあらすじや感想、見どころを紹介します。
若干ネタバレありますが、ほんの触り程度のネタバレです。
またストーリーセラピーでは、本質的な在り方を目指すために知っておきたいことについての考察です。
あなたが、映画「空母いぶき」に興味を持ったり、重圧に押しつぶされず朗らかに責任感を持てるきっかけにでもなれたら嬉しいです。
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映画 空母いぶき ネタバレあらすじ
20XX年。
日本最南端沖で国籍不明の漁船20隻が発砲を開始。
波留間群島の一部を占領しました。
さらに彼らは海上保安庁の隊員を捕らえます。
日本政府は、航空機搭載護衛艦いぶきをメインにした艦隊を送り込みます。
いぶきの艦長は秋津竜太(西島秀俊)。
秋津は海上自衛隊ではなく航空自衛隊出身です。
元パイロット。
そして、副長は新波歳也(佐々木蔵之介)。
2人は防衛大学時代からお互いをライバルとして意識してきました。
そんな2人が艦長・副長を務めるいぶきにはネットニュースの記者、本多裕子(本田翼)と大手新聞のベテラン記者、田中(小倉久寛)も乗り合わせていました。
一方、政府側では総理大臣、垂水慶一郎(佐藤浩市)が戦後初の防衛出動の決断を迫られます。
戦争が起こるのか?
戦争放棄、専守防衛…
いぶき艦隊は瀬戸際でギリギリの“戦闘”へと突入していきます。
戦後最大、未曽有の事態を収束させるために…
映画 空母いぶき 感想と見どころ
やっぱりこの映画大好き!
前回は映画館で、今回は自宅リビングでこの映画を観ました。
昨年、2019年春の終わり。
ウツ診断を受けて、長期療養中。
1人で劇場へ見に行った作品です。
映画「空母いぶき」公開時の報道と日本人の情報リテラシー
公開当時、マスコミが俳優さんのインタビューを編集して誤解を招くような構成にして発表し、俳優さんの発言として発表したことで、俳優さんが大勢の人に攻撃されるという事態が発生しました。
そういういわくつきの作品です。
ネットのレビューサイトには作品を観ずに俳優さんの発言への反論がたくさん書かれて映画に低評価をつけたり…
「おいおい落ち着きなさいよ」
と思っちゃう。日本のみんなの残念な面を目の当たりにしたのを強烈に覚えています。
youtubeでメンタリストDaiGoさんも再三言っていますが、マスコミ報道は真実を“編集”しちゃいますからね。
インタビューなんか、話した本人の意図とは関係ない方向に解釈されちゃうような文章になったりするんですよ。
そういうことを考えずに、情報に煽られる人たちの多さに本当にびっくりしました。
ネットでいろいろな情報が簡単に手に入る時代だからこそ、情報の受け手がそういう知性を求められるんだと思います。
昨年は、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」も話題になりました。
ああいう作り手のメッセージを無駄にしてほしくないですよね。
話がそれましたが、この作品の公開時期のあの騒動を思い出すと、これは語らずにはいられませんでした。
改めて、感想と見どころ 劇場の大画面じゃなくても面白かった!
さて、映画「空母いぶき」本編についてです。
劇場で観てから8か月あまり。
あの感動は忘れられないのですが、だんだんと自信がなくなってくるものですね。
「あれは、長期療養中に1人で劇場で…という特殊な状態だったからこその高揚だったのか?」
もしかしたら、お茶の間のテレビ画面で観たら大したことないな…ってなっちゃわない?
そんな不安も出始めていました。
そんな心配、完全に杞憂。
やっぱりちゃんと面白かったです。
最初に確信を持ったのは秋津の台詞。
「この実感をわすれるな」
です。
敵の戦闘機を1機撃墜した直後、人が1人死んだ…こちらの攻撃によって…
という実感がみんなの間に漂うんですね。
それが観客も巻き込んで伝わってくる。
劇場でも最初にここでやられました。
あ、この映画、本物だっ…って。
それがちゃんとリビングのテレビで見ても感じられました。
このシーンの成功だけでも、この映画を作った意味があると思います。
そんなに派手なシーンではないんですがちゃんと観る側もその実感をイメージしてしまうような構成になっているんですよね。
もちろん、ここが始まりでその後のスリリングな戦闘シーンがどんどん描かれていくわけです。
日本人であればこそ、それぞれの主義主張があって評価自体は賛否両論あると思います。
それでもわたしは胸に迫るアクションエンターテインメントとして、近年の日本の映画にはなかった成功作品だと思います。
あ、そうだ。
原作は、かわぐちかいじさんの漫画です。
映画「空母いぶき」の公式ホームページでは、映画のプロローグとして、映画オリジナルキャラクターたちのエピソードが漫画で読めます。
これはたぶん、漫画のファンで映画も好きな人には嬉しいプレゼントだと思いますよ♪
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映画 空母いぶ【考察ストセラ】世代を超える綺麗事(本質)
【考察ストセラ】① 自衛隊を描いた寓話
わたしも息子も、妻も!好きなアニメ「僕のヒーローアカデミア」の中で、平和の象徴と言われるヒーロー、オールマイトが言います。
「きれい事!? 上等さ!! 命を賭してきれい事を実践するお仕事だ!!」
ヒーローという仕事はそういうものだという意味ですね。
映画「空母いぶき」は原作が漫画です。
原作ファンの中には原作との違いにがっかりされた方も多いようです。
でも一方では、原作の本質を一本の映画で表現したことに賞賛を送るファンもたくさんいます。
なにより原作者のかわぐちかいじさんが映画についてそう評価しているのですからやはり成功している作品なのでしょう。
原作が漫画なだけに、漫画チックな展開も随所にみられます。
「何コレ、こんな綺麗事で平和が守れるか!?」
「いやコレ、単なる子供だましの理想論でしょ!?」
お話の本質を素直に受け取れない人の中にはこんな意見や感想を持つ人もいるかもしれません。
でもこの映画「空母いぶき」も、わたしは見事に寓話化されているなと感じました。
自衛隊というモチーフを使った寓話だと思いました。
【考察ストセラ】② 奥様にも子どもたちにも伝わるように
空母いぶきの戦闘とは関わらないキャラクターに中井貴一さん演じるコンビニエンスストアの店長さんがいます。
あのシーンは要らないんじゃないか?
なんて厳しい意見もネットのレビューサイトにはたくさんありました。
確かに映像作家を志した者として観たときにコンビニエンスストアのシーンとそこからつながるメッセージカードのくだり、全部カットしてもこの映画のテーマはちゃんと伝わるはずなんです。
自衛官たちの姿、在り方を通してメッセージはちゃんと伝わる。
でもあえて、そのテーマを言葉にしてメッセージカードに書いて見せちゃう。
映像作家としての変に若いプライドがあると、こういうことはせず映像でわからせようとするかもしれません。
でも、それだとアクション映画や戦争スペクタクル映画好きの人たち向けの映画になってしまうんですね。
そういう人たちはちゃんと作品の文脈からメッセージを読みとれるかも知れませんが、この映画はもっと多くの人に観てもらおうとした作品なのではないでしょうか?
お茶の間でドラマを観るのが好きな奥さん、思春期でアニメや若い俳優さん女優さんたちにワイワイ言っている少年少女たち。
小学生にだってちゃんと伝わる。
そんな作品を作ろうとしているんですよ。
きっと!
だから本田翼さんだったり中井貴一さんだったりその周辺のネットニュースのスタッフやコンビニエンスストアのスタッフやお客さんたちが描かれる。
寓話…おとぎ話のようなメルヘンチックな雰囲気をちゃんと入れているんです。
軍事アクションファン向け…だけではないんですよね。
それでも、リアリティは追求しないと見応えもないし緊迫感も伝わらないからそこも結構ちゃんと作っている。
とてもバランスよくできている作品だと思います。
【考察ストセラ】③ 人類みんなで目指す綺麗事
で、主人公の自衛官たちの思いが見事に綺麗事、理想論なんですよ。
でも、よく考えてください。
戦争放棄、専守防衛…
コレ、まさに綺麗事で理想論でしょ?
それでもこの国は本気でコレを掲げて、現実の自衛官たちはこの理念で働いているんですよ。
…コレってリアルヒーローじゃないですか。
自衛隊をモチーフにした寓話を作ったことで現実とのリンクがほかの寓話的映画、ファンタジックな映画よりもより強くなって、軍事アクションものではないんですとは言えない作品になっています。
だから、そういうのを期待した人は低評価なのかもですね。
確かに現実の世界でこんな事態が起きたら2時間の映画では収まらないでしょう。
ストーリーは24時間の物語ですが24時間でもこんなに綺麗にはすまないでしょう。
だから寓話でいいんです。
象徴化されているんですから。
でも、実際には叶えられないんだったら、じゃあ綺麗事や理想を掲げて何になるの?
ってことですが、一世代で何でも綺麗に決着しなきゃいけないってことではないと思うんですよね。
わたしたちの世代、例えばわたしはロストジェネレーションと言われる世代です。
実際にその世代にありがちな苦労の今まさにそのただ中にあります。
でも、親や祖父母の世代のせいにするのはお門違いですよね。
だってそんなこと以上に、豊かで平和に繁栄させたんですから。
それでも上の世代の人たちは、今の世の中の現状を観てわが子にもっと苦労しなくて良い社会を託したかった!という思いも持っていると思うんです。
思い描いていた理想とは違うという歯がゆさはあるでしょう。
わたしも早くも「こりゃあ、息子たちの世代はまた大変だな…」なんて思っちゃってる部分もあります。
映画のように2時間で綺麗に解決はできませんよね。
でも、だからといって綺麗な解決を目指すなってことじゃないんですよね。
やっぱり理想を目指してきたから、世界はここまで繁栄してきたんでしょう。
わたしたちもやっぱり目指すのは綺麗事・理想じゃないといけないと思うんです。
で、それを目指す志を次の世代にも託していく。
もちろん綺麗事だけの夢心地では生きていけません。
寓話はちゃんとそういうことも描いていますよね。
映画「空母いぶき」ではなんとも理想的な収束をしました。
でも、そこに至るまでの国家間交渉では
「今のグローバル経済ではここで戦争になればみんな損をすることはわかっているだろうから、そこをつつけば…」
なんてこともちゃんとやってるんですね。
吉田栄作さんの台詞に注目です。
ね?ちゃんとわかっている。綺麗事だけじゃないでしょ?
その上で藤竜也さん演じる群指令は西島秀俊さんや佐々木蔵之介さんたちの世代に託したし、その艦長、副艦長が自分たちの子どもの世代に託す世界のことを話すシーンもちゃんとあります。
佐藤浩市さん演じる垂水総理もそんな世界を守るために仕事をしているのだという表現が出てくる。
綺麗事だけど、理想だけど、ちゃんとバトンタッチしてつなげていけば叶うんじゃないかな?
それを目指して頑張ろうよ…って、ちゃんと描いているんですよね。
この映画はリアル寓話として本当によくできています。
物語の意味をよく詰め込んでくれていると思います。
子どもたちの世代に、さらにその次の世代に、わたしたちは何を残せるのか、何を背負わせてしまうのか、わかりません。
でも
「大変な中にもやっぱり幸せは今ここにある」
そういえる心を育む機会だけは残してやりたいな。
ぜひ、ご家族で観てください。
全ての物語のために
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