映画 犬鳴村 考察
怨霊はテロです

チラシより
自分が味わった苦しみを人にも味合わせたい。
それが自分の親を殺した悪人なら復讐として納得できますよ。
でも、世間で幸せに生きている人が疎ましい…ってそれ…
人を恨む資格ないでしょ。あなたの未成熟さですよ…ってね。
人に悪さする霊には思っちゃうんですよね。
映画 「犬鳴村」
を観てきました。
この記事は、映画「犬鳴村」のあらすじや感想、見どころを紹介します。
ストーリーセラピーでは日本人特有の感情について考察していきます。
あなたが映画「犬鳴村」に興味を持ったり、優しさ繊細さは持ったままジメジメした心を晴らすきっかけにでもなれたら嬉しいです。
若干ネタバレはありますが、映像作品としてのインパクトが台無しになるようなネタバレはしていません。
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映画 犬鳴村 ネタバレあらすじ
映画「犬鳴村」
2人の若いカップルが電話ボックスの前で動画を撮っています。
深夜2時。
深夜2時に鳴るという電話ボックスの都市伝説を検証しに2人は旧犬鳴トンネル近くに来ている様子。
カメラを回すのは森田悠真、カメラに向かって解説しているのは恋人の西田明菜。
本当に鳴りだすボックスの電話。
一瞬びくつきながらも明菜ははしゃいで出ます。
そして「今から行きます!」と応答して旧犬鳴トンネルの中に入っていきます。
悠真は恐怖ですくみますが、明菜がどんどん入っていっちゃうので仕方なくついていきます。
気づいていないのか…動画にちょくちょく映る妙なもの…
トンネルの出口には「この先、日本国憲法通用せず」の看板が朽ち果てていました。
その先には廃墟と化した村があり…
…
臨床心理士の森田奏は勤務医です。
奏が実家に帰ると兄、悠真が相談をしてきます。
「明菜の様子が今朝からおかしい」
…と。
明菜は今朝、旧犬鳴トンネルから戻って以来ずっと様子がおかしいというのです。
妙な童うたをうたいながら落書きをしている明菜。
奏が挨拶をすると、確かにただならぬ雰囲気。
明菜は「おしっこ」といい部屋を出ました。
しかし明菜が出たのはトイレへ向かうためではなく…
明菜の奇妙な「おしっこ」を観てしまったのは奏の弟、健太です。
健太の報告を受けて明菜を探し回る奏と悠真。
悠真は明菜の壮絶な姿を目撃することとなります。
悠真は奏に明菜を助けて欲しかったのです。
奏には昔から妙なものが見える力がありました。
現に今、奏が担当している患者の少年の周囲にも“ある女性”の姿が見えていました。
明菜の葬式で、どうやら森田家には秘密がありそうなことがわかります。
奏の力にも関係がある様子。
葬式のあと、悠真は明菜に何が起きたのかを突き止めるべく旧犬鳴トンネルへ仲間たちを連れて行きます。
しかし、トンネルの前にはずいぶん前からブロックが積み上げられて封鎖されていた様子。
先日明菜と来たときはなかった封鎖…
「どういうことだ!?」
とその壁を登って、トンネルへ入っていってしまう悠真。
友人たちは入れずにその場を後にします。
しかし、追ってきていた健太は兄を追ってトンネルに入り…
翌日、行方不明になった悠真と健太の捜索が始まります。
奏の周りで起こる不思議な出来事。
全てはこの心霊スポット「旧犬鳴トンネル」につながっている…。
奏は都市伝説にある犬鳴村の秘密に導かれていくのでした…。
映画 犬鳴村 感想と見どころ
映画 犬鳴村 感想と見どころ①【感想】映画観た~!
もう!好か~ん!
あらすじを書きながら背筋がゾワゾワします。
映像を思い出しちゃった。
わたしはジャパニーズホラーはあまり見ません。
「りんぐ」「らせん」「仄暗い水の底から」
あとはバトルヒーロー競演作として笑った「貞子VS伽椰子」くらい。
実は「呪怨」も観たことないのです。
ジャパニーズホラーの2大巨匠?
中田秀夫さんと清水崇さん。
中田秀夫さんの作品は見てるけど、清水崇さんの作品は観てないってことか…
「貞子VS伽椰子」はキャラクター合戦ですからね。
また別ジャンル。
この「犬鳴村」を観て、清水崇さんの丁寧でしっかりとした作り方に好感を持ちました。
「呪怨」も観てみようかな…という気になりました。
あんなり、好んで怖いのは観たくないからいつになるかわからないけど…
「犬鳴峠」は地元で昔からここの話は聞いています。
実際に車で通ったこともあります。
犬鳴ダム付近のお話。
ダムに沈んだ犬鳴村…というのは都市伝説ですね。
ということで映画館でチラシを見たときからなんだか気にはなっていました。
観ようと思ったのは、ネットの評価が極端に分かれていたからです。
5点満点中の1か5…みたいな。
こういうのって、わりとちゃんとできている作品が多いですよね。
ちなみに…
これが本当の日本の幽霊の恐怖でしょ?そして傑作でしょ!
と思っている「仄暗い水の底から」の評価も似たような感じです。
「こんな駄作始めて観た!」みたいな感想もある。
まさに観る人を分けるのでしょう。
だから興味を持って観に行きました。
で…面白かったです!
突っ込見どころもあったし、ネットで「ギャグだろ」という人の気持ちがわかる部分もありましたが、そこはほっこりしつつ、全体的にはしっかりとした作り方、丁寧な作り方に好感を持てました。
何よりも、映画館を出た後の「映画を観たぞ~!」っていう爽快感、満足感は不思議でした。
「怖くて背筋がゾクゾクしてたのに、なんだこの爽快感は?」みたいな。
でも、実際犬鳴ダムで働いている人たちや、周辺の住民たちはどんな気分なんだろ?
エンターテインメントジャパニーズホラーとしてはよくできていました。
そのあたりを次から解説します。
映画 犬鳴村 感想と見どころ② 日本の怨念と海外のモンスターバランス
日本のホラーと海外のホラーって根本的に違いますよね。
海外のホラーって具体的でしょ?
死体がよみがえるゾンビとか、ヴァンパイアという別の生命体とか…
唯一、日本の幽霊に近いかな?と思うのは「ポルターガイスト」ですか。
あれも家具が動いたりとか、直接的です。
そしてSFファンタジースペクタクルになっていく。
「エクソシスト」や「オーメン」という傑作もありましたね。
どちらも具体的。
日本で言えば「陰陽師」とか「妖怪大戦争」みたいなね。
でも、日本の幽霊というのはちょっと違います。
念、怨念、思念。
そういう掴みどころのないものを恐怖として感じる。
その感じ方の感性ですよね。
「仄暗い水の底から」はまさにそれを上手に表現した感じ。
本当に背筋がゾゾゾ~っとしました。
「犬鳴村」はどうか?
日本のゾゾゾゾ~と、海外の具体的ホラーの組み合わせといった感じ。
そのバランスがちゃんと考えられている。
とても丁寧に作られている感じです。
前半はとくに日本的な怖さがあります。
それを表現しているのが撮影でしょうか。
日本家屋を使って、絶妙な照明とアングルで上手に表現しています。
病院の中でのその撮影手法の使い方も上手い。
日本人の内面的なジメジメ感も上手に演出されています。
ゾワゾワ~ってします。
画面の余白に今にも何かが映りそう。
でも映画的解決を具体的にさせるためか、時代に合わせてなのか、海外具体的ホラー要素も入れつつお話が展開していきます。
怨霊や呪いにちゃんと動機があったり、一部モンスターみたいな表現もあったり…
まあ、その辺は好き嫌いがあると思います。
わたしはいろいろ自分の中でつじつまを合わせて楽しみました。
映画 犬鳴村 感想と見どころ③ 日本の怨念と海外のシナリオバランス
海外具体的ホラー…吸血鬼かモンスターか…タイムスリップアドベンチャーか…
みたいな、ちゃんと謎に迫り脚本的にも具体的に解決させるというわかりやすさがあります。
だから「映画を観たぞ~!」っていう満足感があったんだと思います。
どんより間ではくスカッとした感じ。
前半からちゃんと伏線も張って回収していく丁寧な作り。
ああ、なるほどねって納得できる着地。
日本人特有の怨念に、海外の人が見ても納得できそうな理由付け。
そして、物語を収束させるための解決策とそのロジック。
非常にわかりやすいですよ。
ドラマ「テセウスの船」の最終回を観た翌日に「犬鳴村」を観たのでなおさらわかりやすかったです。
コロナ騒動でもまだまだ平和ボケな日本で、わたしも映画館に行っちゃいました。
きっと行けなくなるのは時間の問題だから行っておきたかったんです。
早めに春休みに入った女子中高生たちが劇場の真ん中あたりを陣取っていました。
複数の女子中高生グループ。
なるほどね…と。
確かにこういう年頃の、特に女子たちがワーキャー言いながら観る類の映画。
だとしたら、なおさらよくできていたんじゃないのかな?
彼女たちには直球ど真ん中だったと思います。
特に地元民にとっては。
映画 犬鳴村【考察ストセラ】怨念はテロです
【考察ストセラ】① どんなに恨みが強くても
どんなに恨みが強くても無関係の人を傷つけちゃダメです。
幽霊の気持ちを考えると、最終的にはそこに行きつくんですよねいつも。
だからでしょう。
霊感の強い人に言わせれば、霊はわたしには憑いてこないそうです。
霊が傷つくから。
優しいのは優しいけど、自分と他者の境界線がクッキリしすぎていて傷つくんだとか…。
言われて納得です。
【考察ストセラ】② 映画 犬鳴村の幽霊も一緒!
なぜか溺死する…
怖いですよ~、面白いですよ~、映画「犬鳴村」
ネタバレしますけど、都市伝説で本当にあるんですよ。
ダムに沈んだ村…地図から消された村…犬鳴村って。
そこに、空想で物語を作ってみたのがフィクションとしての映画「犬鳴村」です。
ダムに沈んだ村…呪いで溺死…
わかりやすいでしょ?
犬鳴という地名にもちゃんと由来があることになっていてその使い方も上手い。
でも、最初に死ぬ明菜にしても、その後の犠牲者たちにしてもはっきり言って関係ないわけですよ。
わたしはね、怨念さんたちに言いたいの、いつも。
違うでしょ!?って。
【考察ストセラ】③ 無関係な人を呪っちゃダメ
無関係な人を呪っちゃダメでしょ!
そうでしょ?
明菜は軽薄にハシャイでおバカでしたよ確かに。
でも、無関係ですよ。
無関係の若者ですよ。
未来ある若者ですよ。
大人が未来を託さないでどうすんのよ!ねえ、オールドタイプ!
この辺は年寄りによる若者への不可解さからくる恐怖が敵意になっているのがわかりますね。
まあ、それは心理学的分析でホラー映画では無粋か。
「13日の金曜日」とか海外のホラーでも相通じる部分です。
馬鹿で調子に乗った若者が犠牲になる。
寓話としては「気をつけなさいよ」という警告でもあるから物語の役割も果たしているんですけどね。
にしても、実際に霊さんよ、無関係の未来ある若者を殺しちゃったらダメでしょ。
例えば自分や愛する人を傷つけられたことへの恨み。
それを、加害者本人にぶつけるなら納得できるんですよ。
この野郎!!って。
でも、犬鳴峠の噂にしてもそうですが、そこを通っただけで怖がらせるとか「恨めしや~」って呪うとかは違うでしょ?
って。
たぶんね、怨念さん幽霊さんは言いますよ。
「うるせぇ~!」って
「この恨み、お前にわかるのか~!」って
ちょっと待てよといいたい。
そもそも、恨みだろうが何だろうが、あなたの気持ちはあなたのモノであって、それを他人に同じように味わえってエゴが過ぎるぞって。
そこがまず間違ってるでしょ?
生きている人たちもそうですよ。
「俺の気持ちなんかわからないくせに」「ワタシの気持ちなんかわかってたまるか」
って。
そう。わかってたまるかですよ。
わたしはアンタじゃないもの。
寅さんだって第1作で博に言いますよ。
「気持ち悪いこと言うなよ、俺はお前とは別の人間なんだから、お前の気持ちがわかるわけないだろ?」
って。
ワタシの気持ちをわからせてやる!
ワタシの愛が引き裂かれたから、関係のないお前の愛も引き裂いてやる。
って話をしてるんですよ怨念さん、幽霊さん、あなたたちは。
辛かったのはわかります。
でもね、関係のない人に同じ思いを味合わせてやる~は違うの。
それは幽霊でも人間でもおなじ。
人間でもいますよ実際。
飛行機乗っ取って、関係のない異国の人を道連れに関係のない人たちが働いているビルに突っ込んだりさ…
一緒でしょ?
本当につらかったのなら、同じ思いをさせないように現世の人たちを守ってあげてください。
それができてこそ、あなたのその苦しさは癒される、あなたの魂も救われるってもんでしょ?
ね?怨念さん。
わたし何かまちがってます?
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