ドラマ ハケンの品格2020 3話 無料見逃しフル動画 あらすじ・感想と考察
エンタメと本質と作家性と読解力
ねえ ハケンの品格2って派遣を美化してる?そういう声も多いけど…
どーせSNSでしょ?それ たぶんハケンの品格をちゃんと観てない人よ
そーね。ドラマも読解力いるもんね。特に民放作品は
そ、ハケンの品格のように社会問題に切り込んだ民放の作品は特にね
この記事は、ドラマ「ハケンの品格(2020)」第3話のあらすじや見どころ、感想を紹介します。
ドラマ「ハケンの品格(2020)」はTVer、Huluで配信中です。
ドラマ ハケンの品格(2020)3話 ネタバレあらすじ
ドラマ「ハケンの品格(2020)」
第3話
スーパーハケン大前春子…大いに悔しがる!?
S&Fの社員たちの話題は「老後2000万円」問題です。「そんな大金準備するのは無理だ」という社員たちをしり目に今月の生活費の心配をするハケンの亜紀(吉谷彩子)と小夏(山本舞香)。祝祭日のせいで出社日数が減るので時給で稼ぐハケンには痛手なのです。
そんなS&Fではこれまで社員もハケンも平等だった社食割引が撤廃され割引は社員のみとなるといいます。そのうえで社食を一般に開放して名物のライスカレーを目玉商品にしようとしているようです。
そんなときに事件は起こります。新入社員の井手(杉野遥亮)が、亜紀に手伝わせて社内で撮った動画をネットに投稿…。ところが井手の背後に映りこんでいたのはその日、経費節減で社食をクビになったアルバイトの牟田(六角精児)の怪しい姿でした。牟田が冷蔵庫に頭を突っ込んでふざけているように見える動画が拡散されてしまったのです。その動画が食品会社の社食での「バイトテロ」だと騒ぎになり大炎上!クレーム殺到で、スーパーではS&F社の商品が撤去されるまでに…。その上、牟田がいなくなったことで社食のカレーの味も落ちてしまい社員すら寄り付かない社食と化します。里中(小泉孝太郎)は社食のカレーが再び評判になれば、炎上を挽回できるはずだと、大前春子(篠原涼子)に前の味を再現するように業務命令を出すのですが…。
ドラマ ハケンの品格(2020)3話 見どころポイント
ドラマ ハケンの品格(2020)3話 の重要キャスト
・大前春子:篠原涼子
この物語の主人公。伝説のスーパー派遣。いつも彼女の笑顔で締めくくられるのかな?第2話もそうでしたがロボットのようでいて破天荒な大前春子の人間的な柔らかい笑顔が今回も観れました。旧シリーズもそうだったんですか?あ、でも1話目はそうだったっけ?
・牟田吉男:六角精児
今回のゲスト俳優さんは六角精児さんです。前作にも出ていたんですかね?観てないので知らないですが。牟田は大前春子を見るなり「ハルちゃん」と呼びます。大前春子は牟田を見るなり気づいたようですが「どなたか存じませんが」みたいなこと言っていました。牟田は派遣でもないバイトとして働いていたんですね。このドラマで出てくる社員のあつかい同様、読解力ポイントですよね。
・井手裕太郎:杉野遥亮
Youtuber井手くんです。彼のせいで大炎上。最近のYoutubeはコンプライアンス的にけっこうまともになってきてますよね。まだまだ正しくは取り締まれていないみたいですけどね。ドラマ全体の構成が少し心配になってきました。このドラマが表現していることってかなり本質的なことだと思うんですが、学生気分の新入社員の気持ちの切り替えも多分描くつもりなのでしょう。そんな尺ある?確かに本質にとっても重要なピースでしょうけれどもどう絡めていくのだろう…。他にもちりばめてあるテーマが今回デカいですよ?
・福岡亜紀:吉谷彩子
今回は井手くんに動画のカメラマンを頼まれて断れません。「NO」と言える福岡ちゃんになれるのかな?それにしても第2話では小夏が泣いているのにキュンとしました。今回はうろたえる亜紀を見てキュンとしました。男って単純でバカだなと自分で確認した今日この頃。
・里中賢介:小泉孝太郎
里中さん…出ました「これは業務命令です」。それはそれで問題になりますよ!…ところで「大前さんでも出来ないことあるのかぁ…」って、今あなた伝説のスーパーハケンに萌えてませんでした?
・宮部蓮三:伊東四朗
ニン?ちょっと考え変わったう?それともやっぱり大前春子のことやっかいだなって思っちゃったのでしょうか?それにしても、今どきあんな発言してたらあからさまなパワハラですよね。ハラスメントゲームの秋津さんに来てもらいたい!でも来週は逆パワハラも考えさせられるかな?
ドラマ ハケンの品格(2020)3話 見どころポイント
ハケンの品格 3話 見どころ① 大前春子のはるか昔が垣間見える?
今回のゲスト、六角精児さんが演じる牟田が春子を見て「ハルちゃん」と呼びますね。どうやら2人は面識がある様子。そう、どうやらそこには大前春子の前作よりもさらに前の物語が隠れているようで…?これ以上はネタバレが過ぎるので控えますが、観た人にはわかってもらえると思います。いい意味でメルヘンチックな思いにさせられました。テーマがテーマだけに単純にハッピーではないけれども。
ハケンの品格 3話 見どころ② 井手が社員で春子がハケンで牟田がバイト
牟田というアルバイトのリストラを描いたこと自体もいいバランスですよね。ハケンじゃないんですよ。アルバイトの働き方を描いたのも絶妙です。で新入社員の井手と2000万円問題を話題にする社員たち。3話目で一旦本質的に難しいテーマのところまで掘り下げてくるあたり、脚本家の中園ミホさんもなかなか責める人ですね。たぶんこの辺りで第一幕終了でしょうからね。ただの世の中パロディエンタメじゃないんだぜってこの辺で気づける人と気づけない人に分かれてきちゃう。で、次から新たな展開があるかな?と思ったら…おお!大泉洋さんが登場するじゃないですか!
ハケンの品格 3話 見どころ③ へのつっぱりはいらんですよ
伝説のスーパーハケンが!大前春子が!悔しさに顔をゆがめていましたよ!さすがに前作を観ていないわたしにもわかります。こんなことあるの?って。里中さんに「萌えてんじゃね~よ」なんて突っ込んだのは実はわたし自身に対していったんです。ほんと男って単純おバカ。篠原涼子さんわたしより2つ年上だけども可愛かった。ちょっとエスッ気ある?
ドラマ ハケンの品格(2020)3話 感想と考察
ドラマ ハケンの品格(2020)3話 感想
ハケンの品格 3話 感想① 前作を知らないことの強み
前作は2007年ですから労働問題に対する社会の価値観も今とはまた少し違っていました。この13年間でだいぶ変わってきましたよね。2000万円問題なんてなかった。とは言え久しぶりに聞いて、そういえばそんなこと言ってましたね…って正にわたしたちロストジェネレーション世代へ向けて、「自分たちで2000万円をなんとか作ってね」って言われていたのを思い出しました。2007年当時の時代を反映したドラマ「ハケンの品格」はあの時代だからこそヒットしたものであって、果たして同じことが2020年の今通用するか?なんて思っていましたが、杞憂でした。ちゃんと2020年の今だからこそのお話になっている。となると今度は前作を好きだった人たちの中には今作が前作と違うという不満を持つ人が出てきても不思議ではありません。なぜなら時代が変わって時代に合わせて作るなら必然的に13年前とは変わってくるはずだから。そのあたりのギャップを感じなくて済むのは前作を知らずに楽しめる強みだなと思います。多くの人は今の問題とすり合わせて自分なりに楽しまれているようですけどね。
ハケンの品格 3話 感想② 六角精児さんの役良かったですね
六角精児さんの役、良かったですね。松本人志さん主演の「伝説の教師」の学食のおばちゃんや、公開当時、大人のメルヘンだと話題になったジャッキー・チェンの映画「香港国際警察 NEW POLICE STORY」のニコラス・ツェーの最後のシーンを彷彿とする良さがありました。牟田吉男、ムッちゃん!
そしてまた、最後にムッちゃんを見つめる大前春子の目。第2話でつぶれた蕎麦屋を観ているときと同じ感じ。
このドラマ観て「ハケン賛美」とか「ハケンを美化するのやめて」とか言ってる人は、この第3話をバイト美化とか言い出しかねないですね。全然、美化されてないけど。雇用形態にかかわらず働くということを見つめなおさないとヤバイぜ~って大きなテーマを伝えるための「日本沈没」だと思うんですけどね。
ドラマ ハケンの品格(2020)3話より考察
ハケンの品格 3話 考察① Twitterでのアンチ
ドラマ「ハケンの品格(2020)」第3話が放送された翌朝、ツイッターをチェックしてたらハケンを美化するドラマだというアンチツイートが結構目立ちました。ある人は「チラ見したけど」とちゃんとは観ていないことをしっかり宣言しているので、そこは気が利いているなと思わなくもなかったですが、その発言に乗っかて本当にドラマを見ていない人が「ハケンの品格」は派遣の美化だとか「やめて欲しい」とか言っている…残念でした。これがハケン美化ドラマなら第1話から大前春子が一貫して言っている「日本沈没」の意味がなくなります。
人それぞれの作品の受け取り方はあるし、そもそも自由ですから責められることではないですが、それにしてもここまで作品に対して誠意のない姿勢で観る人が多いのかと寂しくもなります。
ちょっと引いた見方をすると、制作側が時代に刺さるものを作っているということの証明でもあるんですけどね。こういうアンチが出てくるということは。
しかし、この3話を観てもなおハケン美化ドラマだとか言えるのはよっぽど読解力にフタをして観てますよソレ。個人的な感情バイアスがかかっているかも。
ハケンの品格 3話 考察② 派遣と社員と作家と視聴者
大前春子の歯に衣着せない物言いが確かにスカッとする部分もありますよね。「てっきり社員かと思った、何もしないから」みたいなことを正社員たちの前でわざわざ言います。確かに非正規雇用で労働に従事している人が見たらスカッとすますよ。逆に社員たちはあまり喜ばしくない気分だったりするのかな。でもコレってエンタメの一皮目ですよ。
作家とテレビ局が仕掛けた表も表。表面上のラッピングに過ぎないじゃないですか?
その証拠に小泉孝太郎さん演じる里中や勝地涼さん演じる浅野のような社員も描かれているわけですよね。こんなにわかりやすくハケン美化や社員罵倒のドラマじゃないよってところも見せているのに観たいところしか見ない人もいるんですね。
「ハケンの品格(2020)」第3話ではハケンVS社員とはまた違った立場が描かれました。それがアルバイト。これも現代を反映しながらSNSに踊らされず本質をイメージしようやってことや、雇用形態に関係なく働くことや職場への思いについてしっかり考えようよというメッセージですよね。この第3話のラストを観たらハケンとか社員とかの扱い方の問題じゃねーぞってわかるはずなのに!
とは言え大前春子のインパクトは余計にハケン美化ドラマだなどと言われかねない危険を冒している自覚は制作側もわかっているでしょう。確信犯ですよね。ガツンと揺さぶりをかけながらも本質を描き、届けるために踏み込んでいる。
このドラマ「ハケンの品格(2020)」は、作家が表現していることをの表面的なことしか受け取れないならソレ、かなり損してますよね。
ハケンの品格 3話 考察③ エンタメと本質と作家性と読解力
民放ドラマというのはお金を出しているのはスポンサーですから、ドラマを作り続けるためにはスポンサーの顔色をうかがわないといけないのは仕方がないと思うんです。でもそんな制約もあるなかでこのドラマの脚本家さんたちはよく攻めていますよね。視聴者を信じて変化球を投げてきていると思うんですよね。ちゃんとエンターテインメントとして面白おかしくすることでスポンサーにも気に入られる。これって作家としての腕がないとできないことなんですよ。表面的なエンタメ演出は誇張されていますよ確かに。
例えばこの「ハケンの品格(2020)」第3話ではクレーム対応マニュアルが出てきました。わたしはクレーム対応は専門です。クレーム対応や問題解決で食べてます。実際に「ハケンの品格(2020)」第3話で出てきたマニュアルのように全面的に会社が悪いなんて謝り方はしませんからね。ひと昔前はそれでもよかった時代もありますが今は絶対にしない。それは基本ですが、それこそエンタメ表現という視点で言えば枝葉の部分です。刑事ドラマ観て「日本の刑事がブローバックの銃なんか持つかよ!」なんて言っているのと同じ。エンタメとしてわかりやすく面白おかしく魅せて楽しませる。そのための誇張、デフォルメですよね。ハケンを美化しているなんて感じる人はその最初の表面の味付け部分で作品のすべてを読み取ったように思ってしまうのでしょう。
ドラマを楽しむのにも最低限の読解力は身につけておきたいものです。
全ての物語のために
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